諫早の植物で染色~ネズミモチ~

植物染め

ネズミモチ

山下画廊さんより送って頂いたネズミモチ。

初めて聞く変わった名前の植物で、最初はネズミトリと間違えて覚えていました。

秋に熟した実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ていることからネズミモチという名前がついたそうです。

そんなあまり美味しそうではない実ですが、戦時中はコーヒー豆の代用として焙って砕いて飲まれていたそうです。

また、乾燥した実は女貞子という生薬として古くから使われていたそうです。樹皮(女貞皮)、葉(女貞葉)、根(女貞根)も生薬になるそうで、すべてがそれぞれの目的を持った薬になるなんて、珍しい木です。

樹皮や葉は染料としても、昔から使われていたそうです。

ヤマモモのようにしっかりした色ではなく、淡い色になりましたが、染めている時の匂いは、やはり漢方を煎じているような独特な香りでした。

昔から染料として使われてきたのは、藍染めの防虫効果のように、ネズミモチの葉の抗菌作用であったり、何か薬効も布に伝わるのではないかと、生薬の匂いに浸りながら思いを馳せてみました。