糸について | yamamayuの布づくりを支える素材

布は糸から。yamamayuでは、自ら育てた蚕の繭から生まれる手紡ぎ真綿糸を中心に、八王子の撚糸屋さんから仕入れる正絹糸、そしてこれから挑戦する綿花や葛の糸を組み合わせ、自然の巡りと手しごとから布を生み出しています。

目次

  1. 真綿糸(手紡ぎ)
  2. 正絹糸(仕入れ糸)
  3. 天蚕糸
  4. 未来の糸(綿花・葛)
  5. 糸とサステナビリティ
  6. 写真ギャラリー
  7. 関連リンク
  8. よくある質問

1.真綿糸(手紡ぎ)

原料:工房で育てる家蚕の繭、製糸工場ででる生糸になれない繭(くず繭)。
工程:繭を煮る → 真綿に広げる → 手で紡ぐ
特徴:ふんわり軽い・保温性・放湿性。撚りの強弱で表情が変わります。
用途:ストール、着物地、真綿布団わた、アートワーク。

真綿から少しずつ繊維を引き出し、撚りをあまく加えて太めの糸に

正絹糸(仕入れ糸)

仕入れ:八王子の撚糸屋さんにて、用途に合わせた糸を特注(例:強撚糸・生糸)。
理由:手紡ぎ真綿糸だけでは出せない表情や強度な設計が可能に。
染め:植物由来の色と、環境負荷の小さい化学染料の両輪で色づくり。

正絹糸は工房で少量のかせづつ染める

天蚕糸

原料:工房での飼育+岩手での飼育からの繭。
希少性:国内でも生産者が少なく、淡い翡翠色の自然光沢と強靭さが特長。
用途:ハイエンドのストールや展示作品など、特別な一枚に。

写真:天蚕特有の柔らかな光沢。少量生産のため一点ずつ大切に使います。

未来の糸(綿花・葛などの自然素材)

綿花:畑での試験栽培から紡績方法を探り、布への展開を目指します。
葛糸:地域に自生する葛を活用し、繊維化→糸化の研究を進行中。
目標:素材の自給自足に近づき、自然からいただく恵みを活かした布づくりへ。

糸とサステナビリティ

  • 再利用:残り糸は結んで再活用(→ もったいないアート)。
  • 副産物:繭の蛹は堆肥に、染め終わりの植物も堆肥へ。
  • 道具:足踏み織機=電力ゼロ。古い織機は修理しながら長く使う。

糸は「自然の循環」から生まれ、また循環へと返っていく存在です。詳しくは サステナビリティ をご覧ください。

工房で染めた正絹糸
長野県岡谷市のシルクファクトリーでの、天蚕の製糸作業
絹の手紡ぎ真綿の糸にぜんまいの綿毛を巻き付けた糸
手紡ぎ真綿の残糸を結びつけた糸

よくある質問

Q. 手紡ぎ真綿糸と機械紡績の正絹糸の違いは?
A. 手紡ぎはふっくら柔らかで撚りが不均一=表情が豊か。機械糸は均一で強度・寸法安定性に優れます。

Q. 天蚕糸はどんな特徴がありますか?
A. 淡い翡翠色の光沢と強靭さが特長。国内生産はごくわずかで、希少価値があります。

Q. 綿花や葛の糸はいつ頃実現しますか?
A. 試験栽培・試作を段階的に進行中です。自然素材の可能性を広げる挑戦として取り組んでいます。

Q. 染めは何を使いますか?
A. 工房周辺の植物による草木染めと、環境負荷の小さい化学染料を用途に応じて使い分けています。

実践例

ここでは、実際に糸紡ぎを体験された方々の様子や、教育現場での活用例をご紹介します。
基本の方法に加えて、誰でも楽しめる工夫やアイデアを知ることができます。