小石丸の繭に触れ、糸を引き、昔の道具を見に行き、夏のごはんを囲んだ一日の記録です。
先日、月に一度ひらいている山梨の工房での染織ワークショップの日でした。
もともとは染織教室という趣旨ではじめた講座でしたが、回を重ねるうちに、あまり型にはめなくてもよいのではと思うようになりました。
今では、参加者のみなさまから学ぶことも多く、自然の中でのんびりと繭や植物に触れながら、それぞれが自分の好きなことをする時間になってきています。
小石丸の繭から糸を引く
今回は、今年の春から育てた繭「小石丸」を糸にしてみました。
工房にある電動の糸繰り機は、強度のある天蚕の糸でも引けるようにと知人に開発してもらったものなので、小石丸のような繊細な糸を引くには調整がむずかしいです。
まだまだ課題ばかりの糸繰りですが、実際に糸をつくりながらでないと見えてこないこともあるのだと感じます。答えは、作業の途中に少しずつ現れてくるのかもしれません。
この繊細な糸の輝きを目の前で見ると、繭そのものの貴重さをあらためて実感します。昔ながらの産業でありながら、それをどう現代の生活の中へ取り入れていけるかということも、これから考えていきたいことのひとつです。
昔の道具に会いにいく
そこで今回は、工房近くの郷土資料館へ、昔の道具からアイディアをもらいに行ってきました。
手作業で丁寧に行われていた昔の養蚕や製糸の道具を見ると、道具そのものだけでなく、そこに積み重なっていた手の仕事の時間まで感じられる気がします。
その技術を、ただ懐かしむものとしてではなく、これから先にもつないでいけるように、今の工房でできることを考えながら続けていきたいと思います。
お昼ごはんも、この日の一部
今回のお昼ごはんは、白い茄子やツルムラサキなどの夏野菜を使った韓国風の料理にしました。
工房で過ごす時間は、繭や糸や植物に触れることだけで完結するのではなく、季節の野菜をいただきながら一緒に過ごす時間も含めて、その日の体験になっているように思います。
持ち帰られていくもの
ご自宅で養蚕をされている参加者の方も、このワークショップのあと糸繰りに目覚め、ご自身でペットボトルを使って道具をつくり、きれいな糸が引けるようになったそうです。
どんな環境でも、やろうと思えばやることができる。どんなことでも、まずはやってみることが大切なのだと、あらためて感じました。
工房のワークショップは、何かを教える場であると同時に、それぞれが自分の手で次の一歩を見つけていく場でもあるのだと思います。





