
山に育ち、静かな光を宿す、もうひとつの絹。
天蚕(ヤママユ)は、日本に生息する野生の蚕のひとつです。
クヌギなどの木の葉を食べて育ち、黄緑色の繭から、独特の光沢をもつ絹が生まれます。
家蚕に比べて飼育されている量も少なく、繭から糸をつくることにも手間がかかります。
その希少な素材は、yamamayuの布づくりを特徴づける大切な絹のひとつです。
山で育つ蚕
天蚕は、クヌギなどの木の葉を食べながら育ちます。
卵で冬を越し、春に孵化し、葉を食べながら脱皮を重ね、やがて葉のあいだに繭をつくります。
人の管理のもとで育つ家蚕とは異なり、木々や天候など、周囲の環境と深く関わりながら育つ蚕です。




市川三郷町の工房で育てる
yamamayuでは、山梨県市川三郷町の工房でクヌギを育て、天蚕を飼育しています。
この地域では、かつて天蚕の飼育が行われていた場所もあり、現在もクヌギがまとまって植えられた景色を見ることがあります。
工房で天蚕を育てることは、素材をつくるだけでなく、土地に残る営みともう一度関わることでもあります。
天蚕から生まれる糸
天蚕の糸には、家蚕の絹とは異なる光沢があります。
光の角度によって表情が変わり、布の中でも静かな存在感を見せます。
一方、天蚕の繭から糸をつくることは容易ではありません。
飼育量が少ないことに加え、製糸にも手間がかかるため、得られる糸は限られています。
その希少性も含めて、天蚕はyamamayuにとって大切に扱っている素材です。
糸になり、布へ
長く引くことのできる部分は天蚕糸へ。
糸として引きにくい部分も、工房で手を加え、紡ぎ糸として生かしています。
長く引ける部分も、引けない部分も、それぞれの表情を残したまま布へつないでいきます。
天蚕とともに過ごす一年
孵化から成長、繭づくり、そして次の卵へ。
工房で実際に天蚕を育てながら見てきた一年を、創作日記に残しています。




