
yamamayuの布を生む、ふたつの“いのち”。
山まゆの里染織工房の布は、家蚕と天蚕という二つの“いのち”から生まれます。
家蚕は人とともに暮らしてきた蚕。天蚕はクヌギなどの木の上で育つ蚕。
食べる植物も、育つ場所も、繭と糸の表情も、それぞれに異なります。
ふたつの蚕
糸の表情


家蚕の糸は、水面のように滑らかな艶をもち、染めたときの色が整いやすい糸です。
天蚕の糸は、奥から静かに光るような表情があり、織り上がると存在感とコシが立ち上がります。
同じ「絹」でも、布になったときの気配は大きく異なります。
yamamayuでは、その違いを隠さず、布の個性として生かしています。
育つ場所と季節
家蚕は人の管理のもとで安定して育ちます。
それに対して天蚕は、クヌギなどの木の上で育ち、基本的には一年に一度の営みです。
繭は葉をつづり合わせて樹上につくられ、その環境ごとの表情がそのまま繭や糸にあらわれます。
未穿孔の繭だけが、生糸として長く引ける繭になります。
それ以外の部分も、真綿や紡ぎ糸として生かされ、yamamayuの布へとつながっていきます。
※未穿孔の繭とは、蛾がまだ外に出ていない、穴のあいていない繭のことです。繭の形がそのまま残っているため、糸を取りやすい状態です。
yamamayuの素材づかい
家蚕の絹は、八王子の撚糸屋さんから届く良質な正絹糸や、工房でつくる手紡ぎ真綿糸として使われます。
なめらかさ、色の光沢感、扱いやすさを生かしながら、布の基調を整える素材です。
天蚕は、岩手の友人が育てた繭や、山梨の工房で育てた繭をもとに、正絹糸や手紡ぎ糸として作品に生かしています。
黄緑系の自然な色味、しなやかさ、凛とした気配は、ほかにはない魅力です。
また、作品によっては植物由来の染料と化学染料を使い分けています。
必要な色があるときは化学の力を借り、やさしい揺らぎを残したいときは植物の色を選びます。
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