
桑を食べ、人のそばで育ち、繭を残して次の命へつないでいく。
蚕は、卵から幼虫、蛹、成虫へと姿を変えます。
卵からかえった幼虫は、桑を食べて成長し、やがて繭をつくります。
ここから、生糸や真綿、手で紡ぐ糸へとつながる素材が生まれます。
いのちのめぐり
卵からかえったばかりの蚕は、黒く小さな蟻蚕(ぎさん)として始まります。
桑の葉を食べながら4回の脱皮を重ね、最後の5齢では、幼虫期に食べる桑葉の大半をこの時期に食べるほど、大きく成長します。
やがて熟蚕(じゅくさん)になると、蔟(まぶし)にのぼり、2〜3日かけて繭をつくります。
その後、繭の中で蛹となり、成虫の蛾となって、また次の命へとつながっていきます。
yamamayuでは、実際に蚕を育てながら、成長や繭づくりの時間を記録しています。
糸のもとが満ちる時間
幼虫の体の中には、一対の絹糸腺(けんしせん)があります。
5齢のあいだに急速に発達し、熟蚕の頃には、体の大きな部分を「糸のもと」が占めるようになります。
見た目には静かな蚕の体の中で、繭づくりの準備が進んでいます。
繭は、蛹の時期に体を守る場所であると同時に、私たちの糸づくりの始まりにもなります。
繭から生まれる糸
生糸
繭を煮てやわらかくし、複数の繭からほどいた繭糸を合わせて繰ることで生まれます。
絹織物の基盤になる、なめらかで均質な糸です。
玉糸
二重繭から生まれる糸で、節のある独特の表情をもちます。
きれいに揃いすぎないところに魅力があります。
絹紡糸
生糸として繰りにくい繭や、短くなった絹繊維を集めて紡いだ糸です。
比較的均整があり、扱いやすさをもった糸になります。
真綿から紬糸へ
繭を煮て真綿にし、手で紡いでいく糸です。
ふくらみや温かみがあり、yamamayuの布の大切な表情になります。
繭は、ひとつのかたちのまま終わるのではなく、それぞれ違う糸の表情へと分かれていきます。
yamamayuでは、その違いを生かしながら、布へとつないでいます。
繭から、次の素材へ
家蚕と天蚕、それぞれの繭には異なる色や性質があります。
繭をひらいて生まれる真綿についても、さらにたどることができます。
