
織りについて
明治から受け継がれた織りの記憶と、いま布になる手の時間。
yamamayuの布は、糸があればただ生まれるのではなく、
織機と向き合う時間、手の判断、受け継がれてきた道具の記憶の中から生まれます。
このページでは、織りの原点、からみ織りという技法、工房に受け継がれてきた手織り機や力織機、そしてこれからの挑戦を、静かにたどれる形にまとめました。
織りの原点
明治二十七年(1894)、東京・八王子。
織物の町で生まれた二階堂織物から、いまのyamamayuへと、織りの手と知恵が受け継がれてきました。
八王子は古くから織物産地として栄え、手織りから力織機へ、そして多様な織りの技法を育ててきた土地です。
yamamayuの布にも、その流れが静かに残っています。
受け継がれた織機
工房では、2台の古い力織機を整備しながら動かしています。
糸切れを知らせる自動機能があるわけではなく、織り手が目・音・手で状態を見極め、一打ちごとに布を育てていきます。
同時に、代々受け継がれてきた足踏み式の手織り機も整備しながら使っています。
現在、工房には15台ほどの手織り機があり、そのうち3台がいまの制作を支えています。
古い染め・織り・紡ぎの道具も多く残っており、それらは過去の道具であるだけでなく、これからの布づくりや学びへつながる存在でもあります。
からみ織りという技法
からみ織りは、経糸どうしを絡ませてから緯糸を通す構造の織りです。
透け感、通気性、目ずれのしにくさをあわせ持ち、軽やかでありながら、布としての輪郭をしっかり保ちます。
和装の紗・絽・羅もこの系譜にあり、yamamayuのストールや布の中でも、とても大切な織りの核になっています。
光が通り、風が抜け、糸の陰影が立ち上がるのは、この技法があるからです。
いまの挑戦
2025年には、母・中川原惠子が、結婚の贈り物として父から贈られた幅広の木製織機を約40年ぶりに再稼働させ、100cm幅の風呂敷を織りました。
一台の織機が、家族の記憶と作品のかたちを同時に受け持っていることを感じる出来事でした。
また、これまで動力織機で行ってきたからみ織りを、手織りでもできるようにする挑戦も進んでいます。
京都から取り寄せたからみ織り装置とジャガード装置を手織り機に取り付け、古い織りの知恵を、いまの手であらためて生かそうとしています。
西陣などでかつて行われていた手織りのからみ織りを、現代の工房でどう織れるようにするか。
それは技術の復元であると同時に、布の未来をひらく挑戦でもあります。
いずれは高下の工房でも、こうした手織り機や古い道具を生かしながら、織りを体験し、学べる場へとつなげていきたいと考えています。
織る前の仕事
布は、織機に糸をかける前から始まっています。
経糸の本数、長さ、張力、配列を整える整経は、線が面へ変わる入口です。
工房では、長物や広幅に向く改良・動力整経機と、試作や少量制作に向く木製整経枠を使い分けています。
整経については、別ページで工程として詳しくまとめています。
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織りの背景を知ったあとに、工房のこと、体験できる場のこと、そして作品へと、ゆっくり進んでいただけたらと思います。
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