
Collector’s Gallery
霞影
黒とグレーの構造の中に、白が静かに光をひらく一点です。
《霞影》は、影そのものではなく、遠くの景色が白灰色にかすんで見えるような、幻想的な気配をたどった布です。
からみ織りの空気を含む組織に、黒・グレー・白の緯糸が重なり、線の層がゆっくりと浮かび上がります。
近づくと糸の響き合いが見え、離れると光がすっと透ける——その距離感ごと、表情が変わります。
作品について
黒・グレー・白の糸が、からみ織りの中でゆるやかに交わり、布の中に静かな線の層をつくっています。黒の深さで終わらず、明るさへひらいていく、その移ろいがこの作品の中心です。
装うと風を通し、光を含み、暮らしの中ではやわらかな気配として寄り添います。強く主張しすぎず、それでいて輪郭のある一点です。
素材・技法
- 作品種別:絹からみ織りテキスタイル
- 素材:絹100%
- 技法:からみ織り
- 経糸:絹糸(黒・グレー)
- 緯糸:正絹糸/絹強撚糸/手紡ぎ真綿糸(小石丸・数種)/きびそ糸(白)/1000個の繭から引いた糸(白・黒)
- サイズ:約85 × 185 cm
- 制作年:2025年
- 制作地:山梨県市川三郷町
白の静かな光と、黒の線の輪郭が重なり、透けと密度の両方を感じさせる布です。
背景
経糸は黒とグレー。緯糸には、正絹糸、絹強撚糸、太さの異なる手紡ぎ真綿糸に加え、黒と白に1000個の繭から引いた糸を織り込みました。密度の奥に芯の強さを加えながら、布全体は明るさへひらくように構成しています。
白には、繭の外側から生まれるきびそ糸も用いました。やわらかな光沢とは別の、少しだけ荒さを含んだ白に、黒の線が走ることで、布の中に静かな輪郭が立ち上がります。
からみ織りは、糸の間に空気が通ることで光を含み、透けや奥行きを生む織りです。《霞影》では、その構造の中で白が静かにひらき、見る距離や光の角度によって、景色のような表情がゆっくりと変わります。
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