
Collector’s Gallery
青、紫、桃、淡い黄の気配が、透ける布の中で静かに重なり合う一点です。
光を含んだ薄い層がゆるやかに揺れ、見るたびに異なる印象を残します。
経糸にさまざまな色の絹正糸、緯糸に多色の絹真綿糸を用い、そのときに立ち上がる流れに応じて杼を替え、色を替えながら織り進めました。
同じ表情は二度と生まれません。


作品について
色の境目ははっきり分かれるのではなく、にじみ合いながら波のように続いています。薄くやわらかな布でありながら、奥に複数の層が感じられる一枚です。
正面から見ると透明感が立ち、布が重なるところでは色が深まり、見る位置や光の加減によって印象が静かに移ろいます。
素材・技法
- 作品種別:絹真綿からみ織布
- 素材:絹100%
- 経糸:絹正糸・多色使い
- 緯糸:絹真綿糸・多色使い
- 染色:化学染料・手染め
- 制作年:2026年
- 制作地:山梨県市川三郷町
- 寸法:約80㎝ × 190cm
真綿ならではの軽さとあたたかさ、やさしい肌ざわりを静かに残した布です。
背景
あらかじめ図案を固定するのではなく、頭の中に立ち上がる流れを追うように、杼と色を差し替えながら織り進めています。織りながら現れてくるゆらぎを受けとめ、そのまま布の表情として残した作品です。
この作品では、透ける層の重なりと、波のように続く色の運びが静かな中心になっています。鮮やかでありながら強すぎず、布としてのやわらかさの中に、確かな存在感があります。
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