
Collector’s Gallery
山の自然の中で育つ天蚕の糸を緯に用い、その翡翠のような自然の色をそのまま生かした一点です。
やわらかな光を含む布の中に、静かな陰影がゆっくりと立ち上がります。
経糸には淡く染めた絹糸を合わせ、透けるような光沢と軽やかな手ざわりを保ちながら、
yamamayuならではの希少な素材の気配を静かに織り込んでいます。

作品について
天蚕の糸は採取量がごく限られ、その自然の色と光沢そのものが作品の核になります。本作では、無染の天蚕糸を緯に用い、その静かな色の揺れを壊さないように構成しています。
からみ織りの構造によって光と空気を含み、軽やかでありながら奥行きを感じさせる布になりました。強く主張するのではなく、身にまとうと自然の気配が静かに立ち上がります。
素材・技法
- 作品種別:絹天蚕糸 からみ織り布(ストール)
- 素材:絹100%
- 経糸:絹糸(淡染)
- 緯糸:天蚕糸(無染)
- 技法:からみ織り(力織機)
- サイズ:約75 × 195 cm(房含む)
- 制作年:2025年
- 制作地:山梨県市川三郷町
自然光の下で色のニュアンスが移ろい、天蚕ならではの淡い光沢が静かに浮かび上がります。
背景
天蚕は、山梨のアトリエと、岩手で飼育を引き受けてくださっている友人のもとで育てています。自然の中でゆっくり育った繭から得られる糸は、ごくわずかで、ひとつひとつの年の気候や育ち方を静かに映します。
本作では、その天蚕糸の自然の色を隠さずに生かすため、経糸には淡く染めた絹糸だけを合わせました。翡翠を思わせるやわらかな色味と、透けるような光沢は、染めでは置き換えられない天蚕そのものの表情です。
からみ織りは、糸の間に空気が通ることで光を含み、巻いたときに透けや奥行きを生む織りです。天蚕の光はその構造の中で静かにほどけ、装う人の動きに合わせて表情を変えます。
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